近年、中小企業の事業承継や成長戦略としてM&A(企業の合併・買収)が非常に活発になっています。弊社でも、
年間数件のM&Aの売買をお手伝い・サポートする機会が増えてきました。
そんな中で、今年お付き合いしたケースで「財務DD(デューデリジェンス)の見積書が非常に高額だった」という
事例がありました。M&A仲介業者が提示した見積もりの中に、仲介手数料とは別に財務・労務・法務のDD費用が
含まれていたのですが、対象企業の規模や状況から見ても明らかにそこまで工数(手間や時間)がかからない内容
だったのです。これには買い手企業様も「本当にこの金額が妥当なのか……」と頭を悩ませておられました。
特に我々の業界は、お金の流れを精査する「財務DD」と非常に深い関わりがあります。
そもそも「財務DD(デューデリジェンス)」とは、「買う前に、その会社の『本当のお財布事情』を徹底的にチェックする
いわば健康診断」のイメージをもってください。
売り手企業から提出された決算書をパッと見ただけでは、見えないリスクが隠れていることがあります。例えば以下の
ようなポイントです。
これらを公認会計士や税理士などの専門家が、現地に足を運んだり書類をひっくり返したりして調査します。
しかし、会社の規模が小さく、取引もシンプルな場合、調べる項目は限られます。それにもかかわらず、「一律300万円~」
といった高額な見積もりを出してくる業者も存在するため、注意が必要です。
財務DDだけではなく、仲介手数料などM&Aには高額な費用がかかりますが、国も中小企業のM&Aを後押しする
ために補助金を用意しています。それが「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用枠)」です。
これは、M&Aを進めるにあたって「専門家に支払った費用」の一部を国が補助してくれる制度です。
対象となる主な費用
国の公募時期や枠によって多少変動しますが、基本的には「かかった費用の2分の1から3分の2(上限は800万円円規模)」が
補助されます。
【注意!】どんな業者でもいいわけではありません
この補助金を利用するには、依頼する仲介業者やFA(ファイナンシャルアドバイザー)が、国に登録された
「M&A支援機関」である必要があります。登録されていない業者に支払った費用は補助金の対象外になってしまうため、
事前の確認が必須です。
M&Aは一生に何度も経験するものではありません。そのため、仲介業者から「これが業界の相場です」「DDには
これくらいかかります」と言われると、鵜呑みにしてしまいがちです。
しかし、会社の規模や実態に見合わない過剰な作業内容で、高額な見積もりになっているケースは少なくありません。
「仲介業者に見積もってもらった金額が正しいかどうか不安……」
「うちの規模だと、財務DDにいくらかけるのが妥当?」
少しでも気になることやモヤモヤする点があれば、セカンドオピニオンとしてお気軽にご相談ください。専門家の視点から、
その見積もりが適正かどうかを客観的にアドバイスさせていただきます。
京都本部 盛田