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在職老齢年金制度にご注意

少子高齢化が進んだ日本では、年金を受け取りながら働く高齢者が増えてきています。この際に注意したいのが、
在職老齢年金制度の存在です。

在職老齢年金制度とは、60歳以降に老齢厚生年金を受け取りながら働く場合、一定の基準以上の報酬があると
年金受取額が減額される制度です。この制度の対象者は、70歳未満であれば厚生年金保険に加入しながら
老齢厚生年金を受け取っている方、70歳以上であれば厚生年金保険の適用事業所に勤務している方となります。

この制度における年金停止支給額の計算式は、以下のようになります。

支給停止額(月額)=(基本月額+総報酬月額相当額-支給停止調整額)÷2

基本月額とは加給年金を除いた老齢厚生年金(または退職共済年金)の月額です。この中に老齢基礎年金
(国民年金部分)は含まれません。

総報酬月額相当額とは、その月の標準報酬月額とその月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で割った額です。
簡単に言うと「1年間の給与と賞与の合計を12で割った額」となります。

基本月額と総報酬月額相当額の合計が支給停止調整額を超えると超えた額の半分が支給停止となり、
一度停止された分はその後も受け取ることができません。この支給停止調整額は2022年度以降毎年改正されており、
2025年度は51万円、2026年度は62万円と定められています。

気を付けたいのが、計算式に賞与が含まれている点です。例えば、既に年金を受け取っている会社経営者が、
業績が良いからと多額の賞与を受け取ったために年金が減額されたというケースも想定されます。

年金を受け取りながら働く高齢者は今後も増える見込みで、支給停止調整額も引き上げられると想定されますが、
高額な役員報酬を受け取っている会社経営者で年金を全額受け取りたい場合はこの点に注意する必要がございます。

京都本部 橋本


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