優和スタッフブログ

ストロー効果

週末 車で走っていると、滋賀の甲南で「首都機能移転を」という看板を久しぶりに
見て、びっくりした。
岐阜にもあったので、日本全国にあるんだろう。
現実的には道州制と州都議論がある。
この新たな動き(といっても軽く10年はやっているが)でさえも、地域内にミニ
東京を作る発想しかないことにはちょっと反発したくなる。
逆に言えば、過去の列島改造を見るまでもなく、都と呼ばれるものが周りのすべて
を吸い取っていくことを考えれば、仕方のないことかも知れない。
商業の盛んな地域とは意識的に州都を外すことで過度の集中を避けられると思うけ
れども小さな声でしかない。
東海道新幹線ができたことが凋落の最大の原因といわれる大阪の橋本知事は、大阪
の再興にやっきになっている。 州都も当然という雰囲気は周りにもある。 
これ以上吸い取られるのは我慢できないとばかりに中央へも噛み付いている。
この点、京都はのん気かもしれない。飲み屋で「あんなもの御所じゃない、江戸城
だ」といってるくらいで、はなから別の道を進んでる。
すべての道は福岡に通ずる九州は、福岡以外の落ち込みが大きい。三本の橋が通じ
た四国は全体的に過疎化が進んでいる。 
そんなことを考えながら紀伊半島方面まで進むと、次は「紀勢自動車道早期開通を」
という看板が出てくる。 実際に、伊勢からは結構南まで進んでいる。和歌山側から
は田辺まで来ている。後は陸の孤島と言われる尾鷲から新宮・白浜方面が残るばかり。
結構な山の中を工事が進んでいる。
あの地域は、それぞれ海辺に小都市があって、それなりに成り立っているが、この
高速道路の開通が一気に本格的な過疎地域への始まりになるのは目に見えている。
地域の生活にとって移動の制約になってきたものが開放されることで、本格的に
都市部に吸い取られることになる。
お金を落とす宿泊客には、交通の便はあまり関係ない。
開通を当て込んでホテルなど開業しようものなら、破産一直線。
開通を心待ちにしている旅館にとっては皮肉な結果になりそうな予感がする。
確か、国際観光都市会議を開催する奈良は、宿泊施設がなくて困っているらしい。
意外にも奈良は、宿泊施設の部屋数は全国最下位クラス。 
都市部との交通の便が良くなるとはこういう結果をもたらすことになる。
京都本部 吉原


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