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個人が所有する資産について、災害により損害を受けた場合の本年分の取扱い(所得税関係)

1.資産損失(所法51)

損害を受けた資産が「事業用固定資産等」である場合には、資産損失の規定により必要経費に算入されます。必要経費に算入される旨の規定ですから、帳簿価額が計算の基礎になります。

2.雑損控除(所法72)

損害を受けた資産が「生活に通常必要な資産」である場合には、所得控除により課税標準から控除されます。生活用の資産の場合には、事業用の資産とは異なり、そもそも帳簿価額というものがありませんので、損失額の評価は時価ベースにより行うことになります。 なお、「生活に通常必要な資産」の一例として、居住用家屋、家具、衣服、1個の時価が30万円以下の貴金属などが挙げられます。

3.譲渡所得の金額から控除(所法62)

損害を受けた資産が「生活に通常必要でない資産」である場合には、総合課税となる譲渡所得から控除されます。土地建物等及び株式等に係る譲渡益からは控除できません。 なお、「生活に通常必要でない資産」の一例として、別荘、クルーザー、1個の時価が30万円を超える貴金属などが挙げられます。

4.所得税額の減免(災免法2)

「住宅、家財」が甚大な被害を受け、一定の所得基準を満たした場合には、雑損控除に代えて、災害免除法により所得税額の減免措置を受けることができます。雑損控除による所得控除と災害減免法による税額控除の両方の条件に合致する場合は、金額的に有利な軽減措置を選択することができます。

  所得税では損害を受けた資産がどのようなものかによって、もとより入口が異なります。今回、個別の適用要件や計算方法には具体的に触れておりませんが、出口に至るまでには、細かな要件等の確認を重ねる必要があるかと思われます。

茨城本部 宮本


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