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消費税申告期限の延長

先日発表された税制大綱の中に消費税の申告期限の延長があります。

改正前は事業年度終了の日から2か月以内が消費税の確定申告書の提出期限でしたが、改正後はその提出した日の属する事業年度以後の各事業年度の末日の属する課税期間の消費税の確定申告書の提出期限を1月延長となります。

【改正前】

法人税の申告期限延長の特例の適用を受ける法人であっても、消費税の確定申告書の提出期限は延長されなかったため、事業年度終了の日から2か月以内が消費税の確定申告書の提出期限

【改正後】

法人税の申告期限の延長の特例を受ける法人が、消費税の確定申告書の提出期限を延長する旨の届出書を提出した場合には、その提出した日の属する事業年度以後の各事業年度の末日の属する課税期間の消費税の確定申告書の提出期限を1月延長

申告期限を延長していない場合の延滞税は損金不算入、申告期限の延長をしている場合には延滞税は損金不算入ですが、期限延長分の利子税は損金算入となります。

今までは決算が確定する前に消費税を納め、もし税額が変更になる場合は、修正申告か更生の請求を行う企業もあったかと思います。修正申告の前に税務調査の通知が来てしまうと過少申告の指摘がある場合もありますし、申告しなかった場合は無申告加算税の対象となってしまいました。

軽減税率が導入されたことから消費税の精査も時間がかかるようになったため、事務手続きを軽減させる対策かは不明ですが、法人税の申告期限と同時に行えることとなるので、決算確定とのタイミングがズレず追加で修正申告等をする手間が少なくはなりそうです。

こちらの適用は2021年(令和3年)3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間から適用となります。

池袋本部 有本


住宅取得等資金の非課税

平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属から贈与を受けて自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築等の対価に充てるための金銭を取得した場合に一定の要件を満たすとき贈与税が非課税となります。

要件を満たす場合、最大3,000万円まで贈与税が非課税となります。

ただし、納める贈与税が0円だったとしても贈与税の申告をする必要があります。

この適用を受けるための一定の要件は細かく定められております。

その中でも特に注意が必要な要件を紹介します。

・贈与を受けた都市の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること

この要件の中でもっとも注意すべきなのが贈与を受けた同年に不動産を譲渡したケースです。新しい家を買う為に所有する不動産を譲渡する場合はその際の所得も合算して2,000万円以下にしなければならないので注意する必要があります。

・新築又は取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。

登記簿上の床面積が240㎡以下の物件であることを事前に確認しておく必要があります。

実際にこういった要件を満たしておらず、規定を適用できないという方が存在します。

贈与などを考えてらっしゃる方は税理士法人優和までご連絡ください。

京都本部 近藤


QRコードを利用した納付

税金の納付には期限があります。そのため、期限を気にしながら慌てて金融機関に出向くことが必要な場面もあります。

税金の納付方法は、金融機関や官公庁の窓口による納付だけではなく、口座振替による納付、クレジットカード決済による納付、ダイレクト納付などの方法があります。

口座振替やダイレクト納付は非常に便利ですが、届出までに時間を要するため、事前の準備が必要です。クレジットカード決済もポイントがたまる利点がありますが、手数料がかかることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。

そういった場合にはQRコードを利用したコンビニ納付はいかがでしょうか。

昨年の1月4日から利用可能となった納付方法です。国税庁のHPでQRコードを作成し、ご自宅のパソコンであれば、そのQRコードをプリントアウト、スマホであればその画面をコンビニに持参し、コンビニの端末に読み取らせれば納付書を出力できます。それをレジで支払えば納付完了です。

この国税庁「QRコード作成専用画面」は24時間対応のため、夜間や休日でもQRコードを作成できますし、コンビニ払いですので、金融機関の窓口の時間を気にすることなく納付が可能となります。

この納付方法は事前の届け出等の手続きが一切不要な点が利点といえるでしょう。国税庁の「コンビニ納付用QRコード作成専用画面」に入り、名前、住所、税目、納付金額等の必要事項を入力すればすぐに作成できます。

ただし、30万円を超える場合は利用できません。

同様に、QRコードでクレジットカード決算も利用できません。現金納付のみとなります。

場合場合によって、納付方法を選択し、期限内に適切に納付を行いましょう。

税理士法人優和では、さまざまな税のご相談に対応しております。

お問合せはぜひ税理士法人優和までご連絡ください。

 京都本部 吉川


未婚のひとり親の所得控除の創設と寡夫控除の改正について

やっとのような、これからのような、新しい時代への流れを感じる改正が本年より施行となります。

未婚のひとり親の所得控除の創設と寡夫控除の見直しについてです。

◆未婚のひとり親の所得控除の創設

令和2年分の所得税からは、未婚のひとり親であっても、以下の要件をすべて満たす場合には35万円の所得控除を受けられるようになりました。

1.生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)がいる

2.合計所得金額が500万円以下である

3.住民票に事実婚の夫(もしくは妻)がいる旨の記載がない

◆従来の寡婦(寡夫)控除の改正

・寡婦控除の場合にも、合計所得金額500万円以下の要件を追加

・住民票に事実婚の夫(もしくは妻)がいる旨の記載がないことの要件を追加

・生計を一にする子がいる寡婦(寡夫)とともに35万円の所得控除に統一

これまで、離婚や死別等によるひとり親には「寡婦(寡夫)控除」という制度があるものの、婚姻歴のないひとり親に対しての税制上における支援はありませんでした。

また、寡婦(寡夫)控除に関しても、寡婦(女性)と寡夫(男性)との、要件の違いから不公平感が指摘されてきました。

そうした境遇や性別による不利益は、親だけではなく子どもにも及ぶ問題であるとして、以前より多くの声があがるなかでの改正となりました。

多様化し、様々な価値観が認められる社会へと移り変わっていくなかで、税制も複雑となる部分もありますが、今回の改正が多くの人にとって安心し生活できるような社会へと繋がる第一歩となることを願います。

茨城本部 渡辺 


ふるさと納税の高額の返礼品はご注意を!

昨今、巷を賑わせているふるさと納税を利用した方は多いと思います。

ふるさと納税は、所得に応じた限度額の範囲内であれば、手数料の2,000円の自己負担はあるが、納税金額が翌年の住民税からダイレクトに控除され、かつ基本的に納税額の30%の返礼品を受け取れる大変お得感の高い納税制度であると思われます。

今では多くの通販サイトがふるさと納税を利用しており、返礼品の品揃えだけではなく、納税金額まで幅広く設定されています。中には100万円を超えるふるさと納税もあるようです。

しかし、このふるさと納税の返礼品は確定申告時の一時所得の対象になることをご存知でしょうか?

一時所得の申告の対象は原則50万円を超えた場合には必要になります。

高額所得者が限度額いっぱいまでふるさと納税をした結果、返礼品の合計金額が50万円を超えるなんてことも・・・

この50万円の基準は何で決めるかというと、ショッピングサイトや市場で取引されている価格で判断することになります。

返礼品の多くは何かしらの形式で売買取引されているものなので、大まかな金額は推定できると思います。

また、高額所得者に限らず、懸賞で高額商品に当選された方もその懸賞品は一時所得の対象になるので、同年にふるさと納税の返礼品を受け取った方は合計すれば50万円を超えてしまい、確定申告時期に一時所得の申告が必要になることも考えられます。

なので、高額所得者や高額の懸賞に当選された方、あるいは何らかの形で一時所得の対象に該当する物がある場合は、返礼品とその他の合計が50万円になるかどうかを念頭に入れることが必要になると思います。

もし、50万円を超えそうな場合には返礼品の受け取りを翌年にずらしてもらう等の対策が必要と考えられます。

茨城本部 大河原


準確定申告についての概要(後編)

 前回は準確定申告において注意すべき論点についてまとめましたが、今回はその続きです。不動産所得のような毎年確定申告する必要のある方が亡くなった場合、準確定申告以上に気を付けなければならないのが、税務署への届出です。

 特に気を付けたいのが青色申告承認申請と簡易課税制度選択の届出ではないでしょうか。ともに期限内に届け出を出さないとその適用を受けることができないという点で細心の注意が必要となります。

 青色申告承認申請については、被相続人が生前青色申告の承認を受けていたかいないか、その事業を引き継ぐ相続人がその事業を引き継ぐ前から他の事業を行っていたか否かで届出の期日が異なりますが、その要件どおりにあてはめれば、さほど難解なことはありません。難易度からすると「入門編」といったところでしょう。

 その点、少々厄介なのが消費税における簡易課税制度の選択届出ではないでしょうか。相続によって事業を承継した相続人が簡易課税の適用要件を満たす場合、原則は相続のあった年の12月31日までに簡易課税選択の届出を出すことによって相続のあった年から簡易課税の適用を受けることが可能ですが、そもそも簡易課税の要件に当てはまるかだとか、納税義務があるかどうかの判断が、被相続人の基準期間のみならず、事業を承継する相続人が相続発生前に他の事業を行っていた場合にはそこも絡んでくることからその判定は難解なものとなります。

次のような場合はどうでしょうか?例えば12月15日に相続が発生した場合、物理的に不可能ではないのでしょうが年末までに簡易課税選択の届出を粛々と提出できる状態ではないことは明白であり、このような場合には12月31日から遡り概ねその1カ月前までに相続が発生した場合についてその届出を翌年2月末までに提出することで、相続があった年から簡易課税の適用が受けることができます。

 届出関係以外にもそもそも納税義務があるかどうかの判断として例えば亡くなった方の事業を承継する相続人が複数いた場合はどうでしょうか?相続が発生した年の12月31日までに未分割の場合、その年の消費税について納税義務があるかどうかの判断は被相続人の基準期間における課税売上高を法定相続分に分けて各々判断することとなっております。 

 それではその翌年に遺産分割協議が成立した場合、その年の納税義務の判定は被相続人の基準期間において遺産分割協議どおりの持ち分に応じて判定されるのでしょうか?実はこの場合、東京国税局文書回答事例によると相続が発生した年に続き、法定相続分で納税義務を判定することも差し支えないとされております。もし、遺産分割協議通りに判定した場合と法定相続分で判定した場合で課税事業者になるかならないかの結論が異なる場合は、その判定に細心の注意が必要になることでしょう。

 この他にも稀なケースでは課税事業者選択届出であったり、不適用届出であったり相続が発生したことにより影響の出るものが多々ありますので個々の案件に照らし合わせながら検討及び判断が必要となります。

埼玉本部 菅 琢嗣


準確定申告についての概要

 不動産所得のある地主さんのように毎年確定申告をしている方が亡くなった場合、その年の1月1日から亡くなった日までの所得について、亡くなった日から4カ月以内に確定申告をする必要があり、これを準確定申告といいます。

 準確定申告については、基本的には確定申告と変わりはないのですが、少し注意が必要な点がありますので、ひとつずつを検証してみます。

①家賃収入はどこまで計上すべきか?

 原則は例えば11月13日に亡くなった場合、通常11月分家賃について10月末が支払い期限であることがほとんどで、この場合10月末までに受領した11月分家賃までが準確定申告の収入金額となります。

 ただし、継続記帳等の一定要件を満たせば13日までの日割計上した家賃分について準確定申告とすることも可能です。

②必要経費となる固定資産税はどこまで計上できるか?

 前提として固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者に対して賦課されるものですが、納税通知書が送られる前に亡くなった場合、準確定申告の必要経費には算入することはできません。

 何となくその年の1月1日に支払義務が確定されているように感じますが、あくまでも1月1日は課税される者が確定されるだけで、その時点で納税義務は確定しておりません。

相続開始前に納税通知書が送付されている場合は、全額でも納期到来分でも納付済み分でも必要経費とすることが可能で、その固定資産税が賦課された財産を相続により取得した相続人がその後、確定申告する際は亡くなられた方が必要経費とした分以外の固定資産税が必要経費となります。いわゆる裏表の関係です。

③扶養控除について

 扶養控除については、意外と弾力的な扱いとなっており、例えば年の途中で亡くなられた方の扶養となっていた子は、準確定申告にあたって扶養控除の要件を満たしていれば控除でき、さらに確定申告においてもその子は、扶養控除の要件を満たしていれば亡くなられた方の配偶者の扶養控除の対象にもなることができ、年間で重複して扶養控除の対象者となることができます。

 逆に年の途中で亡くなられた方についても要件を満たしていれば扶養される側として扶養控除の対象となります。本来の要件はその年の12月31日の現況なのですが、亡くなられた場合は、亡くなられた時点までの扶養の事実によって決まりまるためです。

④翌年の住民税は?

 所得税については、亡くなった年の収入についても課税されるのですが、住民税についてはその年の課税についての賦課期日は、翌年1月1日現在で判定され、その時すでに亡くなっていることから住民税については課税されません。

 極端な話、亡くなった年に10億円の長期譲渡所得があった場合でも5%の住民税分5000万円は課税されないこととなります。

以上、準確定申告についていくつかの論点について検証してみました。

埼玉本部 菅 琢嗣


給与所得と事業所得(外注費)との違いについて

会社が支払った経費が給与になるのか事業所得(外注費)になるのか、税務調査などでよく問題となる点です。また、近年就労形態の多様化に伴い、給与所得と事業所得(外注費)の区分が明確にならないケースがあることから、両者にどのような違いがあるのか検討したいと思います。

(1)給与と事業所得(外注費)の税務上の違いについて

  • 給与

アルバイト パート 社員などいろいろな雇用形態がありますが、すべて給与支払い時に所得税の源泉徴収義務が生じます。また、給与に対しては消費税はかからないので、不課税取引と取り扱われます。

  • 事業所得(外注費)

外注費の場合は、源泉徴収の必要はありませんが、外注費の支払いには消費税がかかりますので、消費税は課税取引として取り扱われます。

(2)給与と事業所得(外注費)の判定基準について

給与所得と事業所得は基本的には下記の通り区分されます。

  •  給与

雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づいて受ける役務の提供の対価

  •   事業所得(外注費)

請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づいて受ける役務の提供の対価

ただし、実務上は形式的に契約書があれば外注費になるというものではなく、その区分が明らかでないケースがあり、その場合は下記の事項を勘案して総合的に判定することになります。

・代替性の有無

他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することがみとめられるかどうか

・拘束性の有無

報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束を受けるかどうか

・指揮監督の有無

業務の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督を受けるかどうか

・報酬請求権の有無

不可抗力のため業務が完了していない場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか

・材料又は用具等の供与の有無

業務に必要な材料又は用具等を報酬の支払者から供与されているかどうか

また、東京国税局では給与所得と事業所得の区分の参考として「給与所得と事業所得の判定検討表」を掲げています。(紙面の関係で今回は割愛させていただきます。)

給与か事業所得(外注費)かの判断は必ずしも上記の基準のみで判断されるものではなく、個別ごとに契約内容、業務実態に応じて総合的に判断することになります。

会社が事業所得(外注費)として処理していたものが税務調査で給与とされてしまうと、外注費に係る消費税の仕入税額控除が否認され、給与に係る源泉所得税が徴収されます。

給与所得か事業所得かの判断に迷われた場合には、お近くの税理士法人優和までご相談下さい。

東京本部 佐藤


消費税率引上げに伴う印紙税の取扱い

 令和元年10月1日より消費税率が8%から10%へ引上げられました。今のところ世間一般に大きな混乱はないように感じます。そう感じるのは施行されてからまだ日が浅いからでしょうか?これからポロポロと色々な問題が噴出しなければ良いなと思います。

 さて、印紙税は主に商取引で使う文書に対して課税されるものです。課税対象となる文書で身近なものは契約書、領収書、約束手形、会社の定款などがあり、様々な課税対象となる文書が印紙税法において第1号文書から第20号文書まで定められています。

今回は実務でよく目にする第2号文書(請負に関する契約書)をピックアップしたいと思います。第2号文書の取扱いについては、消費税が区分記載されている場合。または、税込価格及び税抜金額が記載されていることによりその消費税額が明らかである場合には、その消費税の金額を印紙税の対象の金額に含まないこととなっております。

第2号文書の基本的な取扱いは上記となりますが、今回の消費税率の引上げにより契約金額の消費税を8%から10%へ変更するケースがあります。 

例えば、令和元年6月1日に税抜1,000,000円消費税80,000円と区分記載されている建設工事の請負に関する契約書を作成し、その引渡しが令和元年9月末日であったにもかかわらず工事の遅れにより消費税率が変更となる10月1日以降の引渡しとなったため税抜1,000,000円消費税100,000円に変更するための変更契約書を作成する場合が該当します。

印紙税法では、契約書の請負の内容、契約金額、取扱数量、単価などの「重要な事項」を変更したときに作成する変更契約書について課税対象としています。では、上記の場合の様な税抜の契約金額に変更はないものの消費税率の引上げにより消費税額のみを変更するための変更契約書に印紙税はかかってしまうのでしょうか?答えは印紙税がかかってしまいます。

 実は印紙税法基本通達の別表第2なるものに、契約書上の「重要な事項」の例示が示されており、消費税の変更については、この例示の中の「契約金額」の密接関連事項として課税の対象となっているのです。

 具体的に見てみると、消費税の金額についてのみ変更する変更契約書の場合、変更前の消費税の金額と変更後の消費税の金額との差額が課税の対象となり200円の印紙税がかかります。ただし、変更前の消費税の金額と変更後の消費税の金額の差額が1万円未満の場合は非課税文書となるので印紙税はかからないこととなっております。これは、零細な取引に伴って作成された契約書については印紙税の負担を求めないとの観点から設定されているそうです。

 今回第2号文書の取扱いを見ましたが、その他の文書についてもまた違う取扱いがありますので、取扱いに迷われたらお近くの税理士法人優和までご相談ください。

東京本部 井上賢亮


消費税の内外判定

最近は外国の会社と取引されるお客様も増えてきて、消費税の処理について頭を悩ませる機会が多くなりました。消費税の経理処理においては、今話題の「税率」の他に国内取引か国外取引か(いわゆる「内外判定」)というものも関わってきます。今回はその「内外判定」での事例をご紹介しようと思います。

A社は日本国内に本社があり、国内の顧客向けに情報解析サービスを提供している会社です。今までは、その情報解析を国内の他の会社にお願いしたのですが、今後国外の会社に変更することを予定しています。このA社が国内において提供しているサービスに今後消費税が課税されるかどうかというのが今回のテーマです。

今までは、国内の事業者から提供されたデータを国内の顧客に提供していたわけですから、当然、売上・仕入とも課税取引として処理していました。ただ、今後は外国からの仕入になり、それに対応する売上について消費税を課していいのかというのがA社からの質問です。

海外から「モノ」を仕入れている会社ですと、輸入する時に輸入消費税が発生し、商品代金の他に消費税を別途納めています。そのため、売上・仕入ともに消費税が課税されます。では、海外から「サービス」を仕入れた場合はどうなるのでしょうか。

消費税の基本的な考え方として、消費税が課税される取引は、「①国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け及びサービスの提供、②外国からの商品を輸入する場合」になります。そこで問題となってくるのが、そのサービスの提供が国外で行われたのか国内で行われたかの判定です。(内外判定)

サービスの提供の内外判定は、そのサービスの提供が行われた場所で判定するのが基本ですが、国内及び国内以外の地域にわたって行われるサービスの提供その他のサービスの提供が行われた場所が明らかでないものについては、サービスの提供を行う者のサービスの提供にかかる事務所等の所在地を基準として判定することとされています。

この「事業所等」の定義ですが、通達では「当該譲渡または貸付を行う者に係る事務所等で、当該譲渡または貸付に係る契約の締結、資産の引き渡し、代金の回収等の事業活動を行う施設」と定義し、裁判例では「役務の提供に直接関連する事業活動を行う施設をいうものと解され、その所在地をもって、役務の提供場所に代わる課税対象となるか否かの管轄の基準としている趣旨からすれば、当該役務の提供の管理・支配を行うことを前提とした事務所等がこれに当たると解されるというべきである。」とされています。

今回のA社の場合ですと、情報解析サービスの全体は、「国内及び国内以外の地域にわたって行われるサービスの提供その他のサービスの提供が行われた場所が明らかでないもの」に該当すると認められますが、A社の情報解析サービスに係る管理・支配を行うことを前提とした事務所は国内にあると考えられるため、今回の情報解析サービスは消費税の課税の対象になるということになります。

このように消費税は少し複雑な面もありますので、経理処理に迷ったら是非税理士法人優和までご相談ください。

池袋本部 木村


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