トピックス

優和ビジネスブログ

税理士法人優和の全国のスタッフが交代で、会計・税務に関する役立つ情報を提供しています。

数次相続、再転相続、相次相続・・・

 私たちの税理士業界では、お客様から「会計士さん」だとか「計理士さん」といった呼ばれ方をすることがたまにあります。厳密に言うと異なるものですが、あえてその間違いを訂正するのも面倒だし、仮に「会計士さん」と呼ばれたところで何ら影響ないので私はいつもそのままスルーしてしまいます。

 税務会計の仕事に携わっていると、同じように微妙にニュアンスが違う言葉でも何となく会話としては成り立つが、こちらに関してはスルーすることなく、しっかりその違いを認識していないと有らぬ誤解を招くこともあります。

 例えば「数次相続」(すうじそうぞく)という文言があります。簡単に言うとある人がお亡くなりになったが、遺産分割が終わらないうちに遺産分割協議者の一人が亡くなってしまい、その相続手続きも進めなければならない状況を言います。

 それと似た言葉で「相次相続」(そうじそうぞく)という文言があります。これは相続税法上の文言で、読み方としては、たった一文字の違いなのですが、最初の相続の相続人が最初の相続発生から10年以内に亡くなった場合の相続税の税額計算に関するものであり、数次相続のそれとは全く意味の異なるものです。

 それでは、「再転相続」(さいてんそうぞく)についてはどうでしょうか。これは「数次相続」と非常に似通った文言ですが、ひとつ決定的な違いは発生した相続に関する承認もしくは放棄の意思表示の有無です。

 「再転相続」は、相続するか放棄するかのジャッジをする前に次の相続が発生してしまったケースをいい、「数次相続」は、そのジャッジを示した後に次の相続が発生した場合のことです。

 本来数次相続であるべきところを再転相続と言ったところで何ら影響のないことのほうが多いかも知れませんが、相続放棄の有無だとか相続人の確定だとかの実態を正確に把握できていないと遺産分割及び相続税額の想定といった初期始動にあたって思わぬ躓きもあり得ますので、本当はどちらの意味で言っているのかの意思疎通を間違えないようにする必要がありそうです。

  埼玉本部 菅 琢嗣


相続税額の2割加算について思うこと

 私の身の上について少々。家族構成は結婚して15年目となる妻がいて子宝には恵まれず、夫婦二人暮らしです。年老いた両親は今のところ健在。その他は実の兄が一人おります。  

職業柄か、それとも昨今のコロナ禍の影響か、この頃自分が死んだ場合の相続についてふと考えてしまいます。  

今、私が死んだ場合は妻と私の両親が相続人となり、今とは言わずとも両親が他界した後だと妻と私の実兄が相続人となります。幸いなことに両親、実兄とも私の妻とは良好な関係である(と思う)し、まあ遺産相続で揉めることなく私の残した財産は妻のもとへ相続されるだろうなと気楽に考えておりますが、そのようにならないことだってあり得ますし、その場合、自分の死後の財産の行方を生前のうちに手を加えコントロールしておく必要すらあります。  

手を加えるということはどういうことかというと、いわゆる「養子縁組」だとか「遺言書作成」だとか「生前贈与」といったことを生前のうちに実行することによって手を加えない状態よりも、より自身の死後の財産の行方を自身の意思でコントロールするということです。  

私の場合、子供がいないことからまずは、全財産が妻へ相続されることを望んでおりますが、私より妻が先に死んだ場合は実兄か相続人ではない甥、姪に渡したいと考えております。  

甥、姪に財産を相続もしくは遺贈させたい場合には「養子縁組」「遺言書作成」のどちらかの手法がとられることになります。相続税がかかる場合は、相続税額の2割加算も念頭に入れて養子縁組するということも検討が必要となりますが、仮に兄弟姉妹が複数名いる場合は注意が必要です。例えば、配偶者も子供もいなく、兄弟姉妹が10人いた場合、甥姪に財産を渡したいと考えるも相続税額の2割加算を考慮して養子縁組してしまうと法定相続人は1名、といいうことは基礎控除額が3600万円。2割加算でも構わないので遺言書を作成し甥、姪等に遺贈するとした場合、相続が発生した段階で他の兄弟姉妹が全員生存している場合は、基礎控除額が9000万円。全員既に亡くなっていてそれぞれ子供が3人ずついた場合は、法定相続人は30人・・・。基礎控除額は・・・。まずないかと思いますが、理論上はそういうこともあり得るのかと思われます。  

いずれにせよ、「養子縁組」するか「遺言書作成」するかで全く納税額が違ってくることも考えられますので注意が必要です。

埼玉本部 菅 琢嗣


ページ上部へ戻る